肢体不自由児の治療は?
ゆざわひろみ
--○○◎◎ 公開 2018年12月30日
「身体が不自由」といわれる方々も多い中で、肢体不自由児といわれる子どもについて、皆様に知っていただきたくここに記します。
私は肢体不自由児に治療を施してきた者です。書き方として指導した者からの目線で記しているので、受け身の方とは言い回しが少し異なることとなりますがご了承ください。
肢体不自由の人と子どもが、世にこれほどいるとはほとんどの人が知らないのでは…?
・ 赤ちゃんの誕生を願い出産したならば、出産前後のトラブルによって、肢体不自由となってしまった。
・ 無事な出産後に赤ちゃんは健康と思われるように過ごしていたが、突然の体調の変化によって肢体不自由となってしまった。
・ 2歳、3歳と健康に育ってきていたが、事故や病気によって肢体不自由となってしまった。
このようないろんなトラブルに出会い、我が子が肢体不自由となってから肢体不自由を始めて知る保護者もいるのです。肢体不自由を知り、〝肢体不自由とは何なのだろうか〟と、始めて考え思う保護者が少なくないようなのです。
私(筆者)も、この仕事に就くまでは全く知らなかったのです。でも肢体不自由児の運動能力を改善進歩させるために就職した私には、患児の多い少ないではなく目の前の肢体不自由児の一人一人の子どもに、より良い指導は何なのかと問いかけ続ける結果となりました。
肢体不自由ですから姿勢を保ったり動作に困難があることは容易に理解できますが、その他にも健康な人には思いつかない困難も有るので、そんな話題を取り上げながら肢体不自由児を知っていただきたく記してみました。
○ 健康な人にお尋ね…
朝、お布団で目を覚ましますか? ベッドで目を覚ましますか? 目を覚ましてから起き上がりますが、この起き上がることから肢体不自由の人は、大変な作業となったり一人では起き上がれないのです。
洗面トイレ、着替え、食事、屋内の移動と、家庭内で行動にも不自由な想いをするのが肢体不自由なのです。
屋内の行動には不自由があったとしても、どうにか可能なので屋外に出れば、段差、階段、坂などで動きがとれなくなるのが肢体不自由なのです。
それだけではないのです。食事がしにくかったりできない、話がしにくかったりできない、呼吸がしにくい、水の入ったコップを持って歩けないなどと、多々の不便と戦いながら生活するのが肢体不自由なのです。それでもこの肢体不自由の方々の中には、仕事に就き社会の一員として納税し、楽しくとも苦しい生活をしているのです。
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目次
肢体不自由とは何なのだろうか?
肢体不自由の運動療法
肢体不自由児の運動療法だけでは不足する事があるのです
① 適切な時期に適切な手術が必要
② 手術と補装具と運動療法
肢体不自由児から肢体不自由者に
1 最もより良く改善した時には・・
2 移動法か生活場面で不自由を感じる
① 移動法は不自由ながら可能だが、生活場面で不自由を感じる。
② 生活の場面ではあまり問題がないが、移動法に問題を感じる。
3 食事を除き、介助が必要
4 家庭内で自分で少し動くことはできるが、ほぼ介助にて生活
5 生活の全てを介助で
6 意識も曖昧で入退院を繰り返す
7 入院生活
楽しく人生を送るために!
① 「1と2と3」の子どもでは・・・
② 「4と5」の子どもでは・・・
③ 「6と7」の子どもでは・・・
肢体不自由児者の悩みや困る点は
肢体不自由とは何なのだろうか?
肢体不自由のことを運動機能障害ともいいますが、この同じような言い方であっても実は大いに違いがあるのです。
運動機能障害とは文字で書かれているように、運動機能が何らかの原因によって障害を受けたことを指します。運動機能とは、骨と骨によって造られた関節を自分の思いに合わせて、筋の力で動かす仕組みを運動機構と呼びます。ですから骨と骨とで造られる関節に障害が有っても運動機能障害です。もっと骨その物に障害が有っても運動機能障害です。このように考えれば、骨、関節、筋、筋を動かす命令を出す脳、脳からの指令を筋に伝達する神経など、どの組織が障害を受けても運動機能障害なのです。
肢体不自由とは運動機能障害も含めますが、運動機能の構造に障害が無くとも、運動しようとする気持ちが無かったり、動こうとする意欲が無ければ身体は動きません。このように運動機構には問題が無くとも動かない、動けない障害児のことを運動発達遅滞児と言います。
運動機能障害と運動発達遅滞を含めて肢体不自由といわれているのです。
この肢体不自由は、胎児の時の母子感染や染色体異常、出産前後のトラブル、産まれてから4週間未満の原因不明の疾患によって生じた身体の不自由などが、全て肢体不自由と呼ばれることとなるのです。
この他には水頭症、二分脊椎症、先天的筋疾患(筋ジストロフィーなど)、てんかんなどがそれに当たります。更に脳炎や脳症など、病気の後遺症としても現れるのです。
肢体不自由を麻痺の有る物と無い物とに分け、麻痺の有る物を運動機能障害、無い物を運動発達遅滞と分けているのです。
病気やケガの後遺症として現れるのは、成人(事故や災害)でも老人(卒中など)でも同じで、乳幼児や子どもだけに後遺症として現れるわけでもありません。
しかし間違えてはならないのが、知恵や情緒、身体や運動、言葉や記憶などが伸びる時期に肢体不自由となった子どもと、すでに一定の伸びを終えた成人や老人の肢体不自由では、その治療の成果や効果が違う事となるのです。
リハビリテーション(rehabilitation)を受けるとよく言われますが、rehabilitationは、新生児や乳幼児が受ける治療ではありません。「re」とは「再び」の意をもっており、新生児や乳幼児には再びではなくこれからなので、ハビリテーション(habilitation)を受けると呼ぶのが正しいのです。
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肢体不自由の運動療法
運動療法とはリハビリテーションの中の一つの手技です。しかしここでの対象は新生児や乳幼児ですから、ハビリテーション中の一手技となります。
○ 肢体不自由児に何故に運動療法を施すのか?
坐位保持をはじめとした姿勢保持ができない、寝返りなどの移動法を学べない、このような肢体不自由児に運動療法と言われる治療体操を行うことによって、できない姿勢や動きを可能にさせるのが運動療法という治療手技なのです。
肢体不自由の新生児や乳幼児には、定型発達児が自力で学び行う姿勢や動きを運動療法を通じて指導することとなります。
首をすわらせることから始まり、順次に次から次への発達順に応じて、指導を行い続けます。最後には、歩くことを可能として、階段昇降や小さな幅をまたぐ、坂の上り下りなどといろんな指導が含まれています。
肢体不自由児の中には、身体が硬くなったり、突っ張ったりとする子どももおられますが、その様な子どもに対しては、丁寧な全身のストレッチを行うことによって、身体が硬くなったり、突っ張ったりしないように指導することも大切です。
肢体不自由児は、普通何の抵抗もなく学ぶことのできる姿勢や動きが、学びにくかったりやりたくないのです。その為に、発達が遅れていくわけですから治療とする指導はとても大切なこととなるのです。
何も知らない乳幼児、受ける指導が間違っていても、間違ったことをそのまま学ぶこととなります。誤学習は訂正することがとても困難です。誤学習とならないように誤指導を受けないように注意が必要です。
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肢体不自由児の運動療法だけでは不足する事があるのです?
運動療法を通じて指導を施していても、足や手の関節の動きに制限が現れ、それが為に運動機能や姿勢を改善できない事もあります。乳児も月と共に年齢は高くなります。たとえ立つことができなくとも2歳を過ぎれば、股関節に正しく荷重を加えて股関節の構造がより良く成長するように導かなければなりません。
この二つの課題は、運動療法ではかなえることはできません。
① 適切な時期に適切な手術が必要
運動療法によって正しく丁寧なストレッチが行われ続けても、麻痺などの病的な症状の一つである痙性によって、関節の動きに制限が生じてくることがあります。
この関節の動きに制限が生じたことによって、動きや姿勢を練習するのに妨げとなってきます。
妨げとなった関節の動きは、整形外科にて手術を受けることで改善することができます。
風のうわさでは、股関節の開キが悪くなり、股関節脱臼を防ぐために整形外科で手術を受けたが、術後に股関節脱臼となってしまったと…。
手術だけで股関節の脱臼が防げるわけではないのです。適切な時期に適切な手術を受けて、運動療法を術前から受け続け、術後にも運動療法を受けなければ股関節は脱臼するのです。
運動療法と手術は、車の両輪な様な物であって、どちらが欠けても良い成果や効果は望めないのです。
② 手術と補装具と運動療法
手術と運動療法についてはすでに記しました。手術と補装具、補装具と運動療法について記してみます。
整形外科で手術を受けた後では、特に足の場合、補装具で少し術後の箇所を保護してもらう必要が有るかも知れません。その様なときには、装具屋さんによって適した装具を作成していただきます。
立ち歩く際に、外反足や内反足、尖足などによって床に足裏が着地しないときなどには、下肢装具とインソールを用いて足裏が着地しやすく工夫します。この時にも装具屋さんによって作成してもらうこととなります。
医師の行う手術、セラピストの行う運動療法、両者の治療を助け子どもの手助けをするのが、補装具となります。
正しい手術、正しい運動療法、正しい補装具によって、肢体不自由児は思い以上の成果や効果を見せて、運動機能が伸びることとなります。
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肢体不自由児から肢体不自由者に
誰もが年を重ねるように、肢体不自由児も幼児から学童となり→成人を迎え→徐々に老いていくこととなります。
乳幼児期から低学年齢の間に、好きでもない治療を受けて移動法や姿勢を学びます。学べたことが生涯の移動法や姿勢となります。
肢体不自由者の老化は早いと言われ、20歳代からできていた動きや姿勢ができなくなることも少なくないようです。
こんなに苦しい生涯を送らなければならない肢体不自由児者にとって、その苦しみを少しでも和らげてあげられるのが運動療法です。
肢体不自由児者の治療のための運動療法については、このサイト内の書き込みをご覧いただき、確認していただければ幸いです。以下に、運動療法で獲得した運動能力に応じて、肢体不自由児者の悩みを記してみたいと想います。
1 最もより良く改善した時には・・
歩く際や作業の際に、多少の不自由があったり特徴的な動きを示しますが、日常生活には特に問題無く社会生活が送れます。
集団での行動などにおいても、他人からの介助は不要で、特別な装具や介助具を使用することによって、問題無く集団生活に和めます。
会社員や法務員として働いている方も少なくはありません。
最も問題となるのが本人の意識であって、肢体不自由者(障害者)の意識が強いために、できる事も介助を求めたり、自ら努力することを拒むことです。このような現症は、幼児から学童期に受けた周囲の環境によって左右され、10歳未満の子どもの育て方によって異なるのではないかと考えられます。
障害児=不憫な子どもと見るのではなく、可能性を常に追求した指導が得られるようにしたいです。
2 移動法か生活場面で不自由を感じる
移動法や生活の場面のいずれかで、不自由を感じる程度に改善した時。
① 移動法は不自由ながら可能だが、生活場面で不自由を感じる。
移動法として杖歩行や独歩を獲得し、手すりの着いた階段ならば一人で上り下りが可能で、電車やバスやタクシーを乗り継いで、目的地に一人で行くことができる。
目的地に着いてからが課題で、物を持って運ぶなどの作業に制限があったりする。
片手で運ぶことは可能でも、両手では運べない。たとえ片手でも、水の入ったコップなどのように揺らせてはいけない物などでは困難。
家庭内でも、浴室のバスタブに跨いで入ることが大変であったり、爪を切ることが困難であったり、男性では髭を剃ることが困難であったり、女性では化粧ができなかったりと、身の回りで不自由を生じます。
幼い時期の作業療法での指導が適切に行われたのか? 作業療法を受けることができていたのか?
移動手段や姿勢の改善も大切ですが、身の回りの作業を獲得することも大切なことなのです。
宴会や宿泊先などで、バイキング様式での飲食が多くなったこの世、このバイキング様式が最も不自由を感じるようです。食べたい飲みたい物が有っても、自分で取って運ぶことができないのです。他人にお願いしなければならないのです。
② 生活の場面ではあまり問題がないが、移動法に問題を感じる。
生活は自走の車椅子か電動車椅子を使用しており、車椅子間の乗り換えも自分でできるので介助は不要。
トイレも車椅子が入れれば、全て一人で可能。
入浴は時間はかかるが、バスタブに入ることがないので、一人で可能。
家庭内では、室内の車椅子か四つ這いでの移動。
車椅子での外出のために、段差や階段が有れば移動は不能となる。エレベーターが設置されている所にしか行くことができない。
幼い時期に歩行の練習はできなかったのだろうか?
外出先に制限があることは、生活に制限を受けることとなります。集団での行動は無理となり、職業やグループ活動にも制限を受けることとなります。
3 食事を除き、介助が必要
家庭内では四つ這いやいざり這いで動き、食卓に食事が用意されていれば箸やスプーンを使って飲食が可能。
トイレや入浴は、介助が常に必要。洋式トイレに座らせてもらう。排尿や排便後の処置を行ってもらう。バスタブにに入れてもらい、身体を洗ってもらう。
衣服の着脱は、用意してもらえば時間がかかるが一人で可能。
外出は、手押し車椅子を使用しているか、電動車椅子を利用。車椅子には乗せてもらう。
電動車椅子を使用していても、行く先々には介助が必要となるので、常に介護者が必要となる。
4 家庭内で自分で少し動くことはできるが、ほぼ介助にて生活
寝返りや腹這いで室内は動くことができるが、他のことについては全て介助してもらう。
衣服の着脱、トイレや入浴介助、飲食の介助、外出時の介助など…。
飲食では、通常の食べ物に手を加えてもらう必要もあり、細かに切ってもらったり、ペースト状に加工してもらうなど、また水分もそのままでは飲めないのでゼリー状に固めてもらうなどの加工が必要なこともあります。
成人となって身体が大きくなれば、トイレや入浴の介助も一人の介助ではできないこともあり、複数の介助を依頼することになったり、トイレでの排泄からおむつに替わることもあるのです。
たとえ数秒で良いので、物によりかかったり捕まったりして立つことができれば、介助量や介護の法も変わるのですが…
ほぼ一日中の介助が必要となります。
床の上やテーブルの上でできる趣味や好きな物を発見することによって、個人としての余暇時間を使うことができるようになります。介護量の軽減につながります。
5 生活の全てを介助で
意識はあるが動くこともできず、生活の全てを介護者に任せての暮らしとなります。
食べ物や飲み物については、食べさせてもらえば食べることができたり、飲ませてもらえば飲むことができるのと、飲食物を全て加工しなければならないのに分かれます。
排便排尿についても、伝えてトイレで行えていたのに身体が大きくなったためにオムツとなることもあるようです。
他人を相手に過ごすだけでなく、自らの余暇利用法を捜すことも必要です。テレビやビデオ、タブレットだけが相手の人生とならないように…
6 意識も曖昧で入退院を繰り返す
肢体不自由児者と言うよりも、肢体不自由を伴う合併障害児者でしょうが、一日中の経過観察と介護が必要で、中には呼吸管理も必要なこともあります。
生活の半分ほどが医療管理に支配され、命を保つ生活となっています。
行動の自由はなく、飲食も胃瘻などのことも多く、慣れた介護者が常に必要です。
体調を崩せば家庭での看護は無理で、医師の素での生活となります。
成人となってからは、施設や病院での生活となることが多いです。
7 入院生活
退院しての生活が難しく、医師の素での生活が求められます。
医療のケアーがなければ生きていくことができず、医師の素で生活することになります。
最も重度重症の合併障害児者かも知れません。
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楽しく人生を送るために!
肢体不自由のために自由に動くことのできない我が身体、動きに不自由を感じたり、姿勢保持が困難であっても、楽しく希望の有る生涯を送りたいと願うのは当然のことです。
上記の「肢体不自由児から肢体不自由者に」の中で、①「1と2と3」・②「4と5」・③「6と7」のどれに該当するかによって人生の楽しみや希望も異なるのかも知れません。
① 「1と2と3」の子どもでは・・・
趣味や特技を持つことができたならば人生は楽しくなるのでは…
障害も比較的に軽度なので、多くの人と接する機会も多く、いろんな経験もできます。
幼い時期からのアイホンやアイパットの使用によって、SNSからの情報やゲームなどで遊ぶことを覚え、その先への改革が本人に起きなかったりすればとても不幸なことです。
与えられた物で楽しむのではなく、自分で捜して趣味や特技を身につけたいです。
読書を通じていろんな人間像を知ることや、絵画を見ることによって美についての知識を増やしたり、美味しい物を食して自ら調理するようになるなど、与えられる物から体験する物に変えていきたいです。
定型発達児は、友だちや周囲を見ることによって、真似をしよう! 自分もできるようになろう! どうすればあぁなるのだろうか? いろんな他からの刺激を受けて発達していきます。
動きが不自由な肢体不自由児にとって、友だちと一緒に遊ぶことが困難であったり、特に動き回る遊びでは加わることができないかも知れません。だからといって孤立させることがないように、子どもの輪に加われる様な配慮が必要となります。
定型発達児と交流を持たせたいと願うためなのか、保育園や幼稚園に通うことを希望する保護者もおられます。通うことができれば加入できて良いのですが、どの様に加入するのかによっては子どもに良い影響とならないこともあるのです。
肢体不自由を理由に、周囲の子どもが不自由な子どもに奉仕する環境はあまり良くないのでは…
「あれが欲しい」・「こうして欲しい」などの言葉かけで、周囲の子どもがその指示に従い、王子様やお姫様のように扱われては良い肢体不自由者となることはできません。
子どもの中で子どものルールに従い生活した経験は、人生の良い肥料として役に立つと想うのです。
② 「4と5」の子どもでは・・・
上肢の使用が難しく、手を使っての趣味や遊びができませんが、他の身体の箇所で随意的に動かすことのできる箇所を使って興味を拡大したいです。
声が出せるのであれば、パソコンの音声入力を用いることによって、趣味が広がります。
足指が使えるならば、足指でタブレットやキーボードを使うことができ、詞や絵を描き特技とすることもできます。
電子機器の発達によって、本も読みやすくなっているし、絵画も美術館に行かなくとも見ることができ、趣味も広げることができるようになりました。
他人との関わりで自分の時間を費やすのではなく、自らの時間を趣味や特技のために使う時間としたいです。その為には、幼い時からの趣味の拡大が求められるのかも知れません。
他人とのつき合いが主となることによって、自分の余暇時間を使うことを学べずに、他人がつき合ってくれなければ睡眠の時間となり、浅い睡眠が継続することによって精神や知的に降下する傾向となるのかも知れません。注意したい現症です。
③ 「6と7」の子どもでは・・・
半覚醒半睡眠状態での生活が多いのかも知れませんが、気分の良い時間には人や物との関わりを持ちたいです。
生きるだけの生活から喜びの有る生活に…!
表情や目の輝きが何によって起こるのか?!!
興味を見つけ、楽しみが何なのか、その拡大も大切です。
家族と共に生活することも大切ですが、看護の整った施設での生活も併用することが大切です。長期に渡る家族の看護は家族の負担が大きくなり、家族での看護が困難となる原因の一つです。時には他人に看護を任せ、家族が看護する体制を整え直す機会とするのです。
①・②・③と記してきましたが、障害をもつ本人が興味をもっているのかいないかのちがいは、人生を送るのに楽しみとして大いに影響が有ると想うのです。
興味は見聞きすることから始まり、見聞きするためには多くの人との関係から見つけられます。
障害という枠にとらわれずに、世に出て行くことが大切です。
障害も目に見える障害から、目には見えない障害、障害とは言われていないのに障害が有るような人間(世に一番多くいると感じるのだが…)と、見える障害で悩むことはないのです。
いろんな法律によって裁かれるような人とならなければ、障害などは気にする必要もないのです。自分の人生を確保(他人を犠牲にしてはいけないが…)し、各自に合った楽しみを持って生活したいです。
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肢体不自由児者の悩みや困る点は
身体が想うように動かせる者にとっては理解できない悩みや困ることは・・
肢体不自由児者にだけ有る悩みと困ることとは…
この項は肢体不自由者の立場から記すので、主人公は肢体不自由児者です。
肢体不自由児者は身体の自由がないだけでなく、手作業ができなかったりやりにくかったり、飲食がやりにくかったり声を出しにくかったりと、健常児者にはわからない苦労があるのです。
また、誰もができると想われることでも、できないことがあるのです。
いろんな不自由の中から、筆者がお付き合いした人たちから獲た情報を記してみます。
○ 洗面の難しさ
顔を洗うのは朝だけではありません。入浴時や汗を流した時などには、顔を洗ったりタオル等で顔を拭きます。この作業がとても難しいのです。
不自由な人の中にもそれぞれが有り、両手で水や湯を掬えないために洗えない人や、両手でタオルを使って水や湯を掬って可能な人とがいます。
手が顔まで動かない人もおり、掌が顔の方を向かないために洗えない人、片手のために水や湯を掬えない人と、それぞれ不自由を感じています。
○ 入浴時に背が洗えない
入浴時に身体のほとんどの箇所は洗うことができるのに、背を洗うことができない。
片手しか想うように使えないので、タオルの両端を持って背を洗えない。タオルの両端を持って、タオルを背後に回すことができない。
このような人の中には、工夫によって背を自分で洗うことができるようになります。
工夫するのは、使うタオルやナイロン製タオルの加工です。通常ではタオルは1本を使いますが、タオルを2本使い、互いのタオルの橋を縫いつけます。タオルのリング(輪)ができあがります。
このタオルの輪に石鹸やボディシャンプーをつけて、マラソンでのたすき紐のように身体に回します。
胸に掛かるタオルを脇腹に引き下ろすと、背にあるタオルは引き上げられて背が洗えるのです。
このタオルの位置を変えることによって、背の全てを洗うことができるのです。
○ 買い物に一人では行けない
コンビニチェーンがあちこちで開店して、ちょっとした買い物には手軽で良い環境となりました。
でも肢体不自由では、買い物籠を一人で持ち、商品を買い物籠に入れて、レジまで行くことが大変なことなのです。
買い物籠を片手で下げることは、難しい作業なのです。コンビニでは、店員が少ないために手伝いを求めることは難しく、店員のいないコンビニも登場した今は、障害者にとって買い物のできない世となりつつあるのかも知れません。
冷凍食品が増えた今、食材だけでなくアイスクリームなども買って、家まで帰ることができないのです。
手に持って帰れないし、背に負うカバンに入れては溶けてしまい、冷凍食品は買うことができないのです。
○ バイキング形式の食事
ホテルに泊まると朝食がバイキング形式、トレイに好きな食べ物を載せて席まで運ぶことは綱渡りよりも難しい。更に飲み物を蓋の無い器に入れて運ぶことは無理なこと。
人手不足を解消のためにバイキング形式なのか、トレイや飲み物を運ぶ手伝いをする人はホテル職員の中にはいないもよう。
ではどこに泊まれるのか?
食事の世話が行き届いた宿泊先、すると安価では泊まることが難しくなります。ビジネスホテルの中には、バリアフリー用の客室が設けられているとされていますが、食事などの手伝いを含んではいないのです。
○ 化粧や髭剃りは?
手が不自由のために、女性では化粧ができなかったり、男性では毎日の髭剃りができないのです。だからといって、毎日の化粧や髭剃りだけをお願いするシステムが今はまだ無いのです。
若い女性は化粧しなくとも皮膚が綺麗ですが、年と共に化粧も行いたくなる心理は理解できるのでは…
男の不揃いの髭は、見た目も良くなく剃りたくなるのは理解できます。でもそれを剃ることができないのです。
何か良い方策はないのだろうか?
○ 爪の手入れ
爪は日と共に伸びます。伸びた爪はきれいに切り揃えなくては…。爪を切らないでいると、他人にケガを追わしたり、自らの身体を傷つけることになります。
男性は爪を切るだけで良いかも知れませんが、女性は切るだけでなく手入れも必要なのかも知れません。
手の爪を切るのもできないのに、足の爪はだれに切ってもらえば良いのだろうか?
日常生活に必要な、化粧や髭剃りと爪の手入れは、障害者の支援の中に入れて欲しいです。
毎日の生活のために…
○ 浴槽(バスタブ)に入れない
浴室の中で浴槽のふちは一段高くなっています。この高くなっているふちを跨いで浴槽に入ることが難しいのです。
ふちを跨ぐためには、たとえ何かにつかまっていても片足で立たなければなりません。この片足で立つ行為が難しいのです。浴室内に手すりが有るだけで跨ぐことが可能となる人もいるのですが…!
○ 杖をけとばされて
独歩をするにはちょっと不安定なので、杖を助けとして歩く人も少なくありません。
歩くのに不安定なので杖を使っているのに、歩いている時に杖をけとばして行きすぎようとする人がいるのです。杖をけとばされて、安定を無くし倒れたりすることによって、けとばした人は驚くようですが、けとばされた人は倒れたりして痛い目となったりケガをするのです。
周囲の人々の注意を促して欲しいです。
○ 風で帽子が飛ばされて
夏の日よけや冬の寒さ対策で、帽子をかぶることがあります。風が強く吹いたために帽子が飛ばされ、飛ばされた帽子は捕まえることができないのです。
風によって路面を遠ざかる帽子、それを見つめるだけで追いかけて捕まえることはできないのです。
○ 雨傘の利用
5歳の子どもに聞いても、雨が降れば傘をさします。でもその傘がさせないのです。
片手に傘を持って、風が吹き雨が降り傘をさしたならば、独歩することができない。杖で歩くことができない。
仕方ないので雨天用のカッパを使うのですが、突然の雨には対応できずにずぶ濡れで帰宅したりすることとなるのです。
ずぶ濡れで電車やバスに乗り込むこともありますが、迷惑をかけていることは理解していてもどうすることもできないのです。
○ 他にもいろいろと…
肢体不自由児者の抱える不便な事々、私が聞いたり気のついた事を記しましたが、肢体不自由児者本人には、様々な困難を抱えていると想えるのです。
バリアフリーと言われて、いろんな設備が整いつつありますが、設備が整っても周囲の人たちの理解と協力が無ければバリアフリーの社会は来ないのです。
車椅子に乗った人、バギーに見えるが肢体不自由児の乗る物、杖を使って歩く人などを見かけたならば、せめて邪魔とならないような気配りをお願いしたいです。
世の人々の理解によって、障害者の過ごしやすい社会が来ると想うのです。
障害者の住みやすい世は、誰もが住みやすい世と想うのですが・・・
お読みいただいた貴方はどうお考えですか
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